ドル・コスト平均法
たくやです。
今回はドル・コスト平均法について書いていこうと思います。
長期の積立投資にとっては非常に重要な考え方です。これから投資を始める人や今まで短期売買を行っていた人にとっては超重要用語です。
たくやが行っている「つみたてNISA」による投資信託の積立投資もドル・コスト平均法の考え方を使っています。
ドル・コスト平均法とは
ドル・コスト平均法は、投資手法のひとつです。では、どのように投資していくのかというと、『定期的に一定額ごと』に金融商品を購入していきます。私の「つみたてNISA」の例を挙げると『毎週水曜日(定期的)に2000円(一定額)ずつ』購入しています。
どうですか?イメージできましたか?
ドル・コスト平均法の肝は価格が高いときは少量だけ購入し、逆に価格が低いときは多量に購入するという点です。価格が低いときのほうが多く買っているので、平均取得価格を低くすることができます。
ちょっとわかりにくいですよね汗
次でしっかり整理しましょう。
ドル・コスト平均法のシミュレーション比較
実際にシミュレーションしてみましょう。
月 | 評価額 |
1月 | 1000 |
2月 | 1250 |
3月 | 1000 |
4月 | 750 |
5月 | 800 |
6月 | 900 |
7月 | 1000 |
8月 | 1100 |
9月 | 950 |
10月 | 800 |
11月 | 750 |
12月 | 1000 |
このように評価額が変化する投資信託に投資するとしましょう。評価額に関しては適当です。今回は2つの比較を行います。
比較1.一括投資とドル・コスト平均法
一括投資では1月に12万円ぶん買付を行います。ドル・コスト平均法では毎月1万円ずつ買付を行っていきます。
- 一括投資
1月時点の評価額は1000円なので
120000÷1000=120(口)
つまり120口購入できます。
そして、12月での評価額は1000円なので
120×1000=120000(円)
よって、元金12万円が12万円になりました。0%の利益ですね。
毎月1万円ずつ購入していくのでこのようになります。
月 | 評価額 | 積立金額 | 購入口数 |
1月 | 1000 | 10000 | 10 |
2月 | 1250 | 10000 | 8 |
3月 | 1000 | 10000 | 10 |
4月 | 750 | 10000 | 13.33333 |
5月 | 800 | 10000 | 12.5 |
6月 | 900 | 10000 | 11.11111 |
7月 | 1000 | 10000 | 10 |
8月 | 1100 | 10000 | 9.090909 |
9月 | 950 | 10000 | 10.52632 |
10月 | 800 | 10000 | 12.5 |
11月 | 750 | 10000 | 13.33333 |
12月 | 1000 | 10000 | 10 |
合計 | 120000 | 130.395 |
合計口数は130.395、12月時点の評価額は1000円なので
130.395×1000=130395(円)
よって、元金12万円が130395円になりました。8.66%の利益ですね。
今回の比較1ではドル・コスト平均法のほうが利益が出てますね。
比較2.定量積立と定額積立(ドル・コスト平均法)
定量積立では毎月10口ずつ買付します。定額積立(ドル・コスト平均法)では前回と同じで1万円ずつ買付します。
- 定量積立
毎月10口ずつ購入していくとこのようになります。
月 | 評価額 | 積立金額 | 購入口数 |
1月 | 1000 | 10000 | 10 |
2月 | 1250 | 12500 | 10 |
3月 | 1000 | 10000 | 10 |
4月 | 750 | 7500 | 10 |
5月 | 800 | 8000 | 10 |
6月 | 900 | 9000 | 10 |
7月 | 1000 | 10000 | 10 |
8月 | 1100 | 11000 | 10 |
9月 | 950 | 9500 | 10 |
10月 | 800 | 8000 | 10 |
11月 | 750 | 7500 | 10 |
12月 | 1000 | 10000 | 10 |
合計口数 | 113000 | 120 |
この表から購入積立金額は113000円、12月時点での評価額は120000円となります。
よって
120000÷113000=1.0619
6.19%の利益となります。
- 定額積立(ドル・コスト平均法)
毎月10000円ずつ購入するとこのようになります。
月 | 評価額 | 積立金額 | 購入口数 |
1月 | 1000 | 10000 | 10 |
2月 | 1250 | 10000 | 8 |
3月 | 1000 | 10000 | 10 |
4月 | 750 | 10000 | 13.33333 |
5月 | 800 | 10000 | 12.5 |
6月 | 900 | 10000 | 11.11111 |
7月 | 1000 | 10000 | 10 |
8月 | 1100 | 10000 | 9.090909 |
9月 | 950 | 10000 | 10.52632 |
10月 | 800 | 10000 | 12.5 |
11月 | 750 | 10000 | 13.33333 |
12月 | 1000 | 10000 | 10 |
合計 | 120000 | 130.395 |
購入積立金額は120000円、12月時点での評価額は130395円となります。
よって
130395÷120000=1.0866
8.66%の利益になります。
比較2でもドル・コスト平均法のほうが利益が得ていく結果となりました。
シミュレーションを通してドル・コスト平均法で投資するとはどのようなものかイメージできましたか?
出来た方は次に行ってみましょう。
ドル・コスト平均法のメリット
- 定量積立に比べて平均取得価格を安くできる。
- 高値掴みをするリスクを大幅に低減できる。
- 相場環境に左右されずに取引ができるため、人の感情が入らない。
平均取得価格に関しては比較2でも行いましたが、もっと簡単な例で考えてみましょう。
ある投資信託の評価額は1月が100円、2月が110円とします。
定量積立では100口ずつ購入します。すると保有口数200口、平均取得価格105円となりますね。
ドル・コスト平均法では10000円ずつ購入します。
すると保有口数はこのように計算できます。
1月
10000÷100=100(口)
2月
10000÷110=90.91(口)
よって、保有口数は190.91口になります。
平均取得価格に関してはこのように計算します。
(積立金額合計)÷(保有口数)=(平均取得価格)
20000 ÷ 190.91 = 104.76円
よって、平均取得価格は104.76円となります。
定量取引よりもドル・コスト平均法の方が平均取得価格が低いことがわかりますね。
また、このようにドル・コスト平均法で取得価格を平均化していくことにより、一度高値掴みしてしまっても平均化することによって大きな損失につながりません。
これらの3点がドル・コスト平均法のメリットになります。
ドル・コスト平均法のデメリット
- 一方向に動く相場には弱い
- 底値で買うことができない
- 機械的で退屈
一方向に動く相場に関して考えてみる。
毎月評価額が100円上がっていく相場のチャート
このチャートで一括購入とドル・コスト平均法を比較する。
投資金額は12万円で資産の増加の様子を見るとこのようになる。
一見、資産の伸び方はドル・コスト平均法のほうがよく見えるが、縦軸に注目すると一括購入では252000円まで増加している。しかしドル・コスト平均法は171442円までしか増加していない。
このように一方向に動く相場に対してドル・コスト平均法は一過t購入に劣るのだ。
ドル・コスト平均法の落とし穴
ここまでドル・コスト平均法について考えてきた。
極端な利益は得られないが優秀な投資法であることは理解していただけただろうか?
ほとんどの方は「とりあえずドル・コスト平均法使えばいいんじゃない?」
と思うだろう。
しかし、現実で運用するときに気を付けることがある。
それは
手数料
である。
ドル・コスト平均法は購入回数が増えるので取引ごとに発生する類の手数料がかさんでしまう。手数料は投資リターンを下げる原因となる。
ドル・コスト平均法で積立を行う際は、出来るだけ手数料の安い商品を選ぼう。
ドル・コスト平均法は万能な投資手法ではない。
あくまでも、数多くある投資法のうちの一つである。
まとめ
ドル・コスト平均法は「定期的に一定額ごと」に購入していく積立投資の手法の一つでした。
メリットは
- 定量積立に比べて平均取得価格を安くできる。
- 高値掴みをするリスクを大幅に低減できる。
- 相場環境に左右されずに取引ができるため、人の感情が入らない。
デメリットは
- 一方向に動く相場には弱い
- 底値で買うことができない
- 機械的で退屈
注意点は、「手数料の安いものを選ぶ」でした。